あとがき

 

 はじめまして、日野祐希と申します。
 まさか自分が『あとがき』というものを書く日がこようとは、夢にも思っておりませんでした。こんな機会はもう二度と巡ってこないかもしれませんので、心ゆくまで楽しみながらあとがきを書かせていただきます。初めてのあとがきに浮かれておりますので、少し長くなりそうですが、お付き合いいただけますと幸いです。
 
 いきなりですが、私は本が好きです。そこに書かれた物語が好きで、『本』という形ある物が好きです。
 カバー折込のプロフィールにも少し書きましたが、私は小中高と図書委員をやり、大学時代は図書館情報学を専攻し、今は大学図書館で図書館員として働いています。ちなみに大学生時代のバイト先は、地元浜松市の書店でした。
 余談ですが、SKYHIGH文庫公式ツイッターのリツイートで、バイトしていた書店の名前(別店舗ですが)を時折見かけます。おかげで不思議な縁を感じる今日この頃です。
 さて、本題に戻りまして、『私』という名の物語の傍らには、常に『本』が存在しています。おそらくは、これからも存在し続けることでしょう。何でこんなにも本に魅せられるのか、自分でもよくわかりません。わかりませんが、それでも大好きなのです! ……何だか愛の告白みたいですね(笑)。
 そんなわけで、私がこれまでに書いてきた物語は、『本』にまつわるものばかりです。そして本書も、そんな『本』にまつわる物語となっております。
 主人公である久我誠一郎の物語開始時の職業は――装丁家。平たく言えば、本のファッションデザイナーもしくはメイクアップアーティストといったところでしょうか。(装丁家の方々、間違っていたらごめんなさい)
 そして、本書のもう一つのキーとなる職業が――装画家です。素晴らしいイラストを描いて、本の魅力を最大限に引き出してくださいます。
 本作りは、彼らの力なしには語れません。読者が真っ先に目にする表紙を作り出す彼らは、本と読者の出会いを支える上で最も大切な役割を担う方々と言えるでしょう。
 正直なところ、装丁や装画の仕事を語るのに私では力不足も甚だしいところですが、本書でこれら仕事の魅力を少しでも伝えられていれば、著者としてうれしい限りです。
 
 それでは、最後に謝辞を。(この言葉、ずっと書いてみたかった!)
『カラフル ノート 久我デザイン事務所の春嵐』をお読みくださいました皆様、このあとがきまで足を運んでくださいました皆様、どうもありがとうございます。皆様に少しでも楽しい時間をご提供できたなら、これ以上うれしいことはありません。
 担当編集者の長谷川様、私の拙い作品に数々の助言をくださり、どうもありがとうございます。長谷川様のアドバイスのおかげで、作品が見違えるように素敵に生まれ変わりました。
 イラストのげみ様、誠一郎たちを素敵に描いてくださり、どうもありがとうございます。あなたのイラストのおかげで、誠一郎たちに命が吹きこまれたように感じます。
 next door design様、本書を魅力的に装丁してくださり、どうもありがとうございます。また、本文の修正をしている際にはたくさんのアドバイスまでいただけて、とてもうれしかったです。私自身も色々と勉強させてもらうことができ、とても感謝しております。
 他にも、本書の製作に関わってくださった皆様、普段からお世話になっている皆様、そして年始に『大々吉』をくれた近所の神社の神様に感謝申し上げます。本当に、どうもありがとうございました。
 それでは、またお会いできることを願って。

日野祐希