あとがき

 

 みなさま、初めまして。遠藤遼と申します。
 ご興味をお持ちいただいてこのページにお越しくださり、ありがとうございます。
 
 本作は既にお読みいただいた方にはお分かりの通り、二通りの読み方ができます。
 ひとつは、陰陽師ものとしての読み方。
 もうひとつは、保険営業のお仕事ものとしての読み方です。
 
 陰陽師ものとして読んだときに、小説として脚色はされていますが、私がいわゆる少し霊感があるタイプなので、実体験による霊現象が混ざっています(?)。
 金縛りから生霊まで、いろいろと体験は豊富です。はい。
 おかげさまで小説のネタには困りません。むしろまだまだいっぱいあります。
 もっとも私自身は陰陽師ではありませんから、真備のようなことは、できたらいいなあとは思っても、できません。
 本作を読んで、むかつく上司の生霊を撃退する様を想像してすかっとしてもいいと思います。間違っても自分が生霊になってむかつく上司に襲いかかってはいけませんよ?
 
 お仕事ものとして読んだときに、こちらも実体験に裏打ちされた内容を随所に盛り込みました。飛び込み営業の苦労、よく知っています。
 ということはですよ?
 主人公の真備はあの性格ですからお給料はカツカツですが、もしあなたがゆかりの言う通りのトークで、ゆかりの言う通りに飛び込みをがんばれば、年収一千万円くらい手にすることができる「かも」しれません(!)。
 そのヒントは、この小説の中には隠れています(?)。私の体験だけではなく、営業成績のいい人のいろいろなコツも入っています。
 小説を読んで営業成績アップのヒントが手に入るなんて、とってもお得ですね!
 いろんな人に勧めてください!
 そのときはぜひ、回し読みではなく、ご購入くださいね!(以上、宣伝です)
 
 それにしても。
 陰陽師、いいですよね。
 どのような陰陽師をイメージするかは人それぞれかもしれませんが、平安時代の闇を照らす救世主としての陰陽師は、とてもかっこいい存在であると共に、神秘的で少し怖い存在にも思えて、実に魅力的ですね。
 陰陽師について書かれた作品は数多く、傑作がたくさんありますが、本作では「普段はサラリーマンに身をやつしつつ、週末はあらゆる魔を調伏して人々を救う存在」として、現代日本のスーパーマンのつもりで、書いてみました。でも、このスタイルは意外に、国家公務員でもあった平安時代の陰陽師たちの実情に近いところもあったかもしれないと、本作を読み返しながら考えています。
 いずれにせよ、このちょっと変わった現代の陰陽師の物語を、読者のみなさまに楽しんでいただければ、これに勝る幸せはありません。
 
 最後に謝辞を。
 担当編集の長谷川様には本書の発刊にご尽力をいただき、ほんとうにありがとうございました。また、編集部のみなさま、校正やデザインの方々、エブリスタのみなさまのお力によって本作を完成させることができました。ありがとうございます。
 伏見おもち先生には、素晴らしいイラストで真備たちに生命を吹き込んでいただきました。心より感謝申し上げます。
 それでは、またどこかでお目にかかれますことを。
 

遠藤 遼